[3]私の7にまつわる3つの話   【機関誌第7号】     Top


                 小 林 茂 敏(こばやし しげとし)(茨城県)

 (1)携帯スマホの7

 080等の頭3桁に続く8桁の番号。私の番号には7が3つも入っている。語呂合わせも考えてあるがここで披露するわけにはいかない。初めてスマホに乗り換えたこの機種はiPhoneの「7+」であり、一度バッテリー交換をして今も使っている。

 もう買い替えてもよい機種ではあるが、弱視の私には画面の大きいタイプを選ぶことになる。するとPro Maxといった最上位のタイプを選ぶことになる。画面サイズ以外のカメラなど高機能で高額なものは不要なのだけれど、来年(R4年)に良い再就職がかなうとか、夏の試験に合格するとかした場合には、自分へのご褒美として張り切って買い替えたい。

 (2)七草がゆが好き

 前職の介護老人保健施設では、季節の食べ物がよく提供されていた。利用者のみならず私も楽しみにしていた。中でも春の七草を食材とした「七草がゆ」が、正月疲れとか仕事モードへの切り替えに、ちょうどよいアクセントになった。胃腸を穏やかに、気分をリフレッシュしてくれる。
 この春の七草を語呂合わせで覚える方法があるようだが、私はそこまで熱心ではないので覚える気はない。私のボケが更に進んだ時には、語呂合わせや若宮正子さんが80歳代で作られたアプリを導入して脳トレに励もうかなとも思う。

 (3)七福神巡り

 私の子供時代は両親と祖母、そして4人兄弟の7人家族だった。この当時の親族は、今となっては90歳の母と私の2人きりだ。とても寂しい状況だ。これ以上母を悲しませてはいけない。災難はご免だ。そして七福神巡りを思いついた。

 数年前のテレビドラマで、鎌倉を舞台に手紙代行を生業とする文具屋の娘の物語があった。鎌倉の景色は綺麗で、ドラマの終盤に七福神巡りのシーンがあり、私はこれだと思い鎌倉の神寺を巡りたくなった。

 平成30年4月の良き日。水戸を早朝に出発し鎌倉で同行援護の現地ヘルパーさんと合流した。鎌倉の七福神巡りは江島(えのしま)神社を含め8カ所の神寺を巡る旅となる。だが、さすがに江の島までは無理があり、江の島へは後日参拝に伺った。7ヵ所を1日で回るだけでもハードスケジュールで、地元辺りの人でも朝早くからスタートするみたいだ。だから水戸からの私には更にタイトであった。

 それぞれの福神様を祀る神社や一部の寺は、それぞれ格式と雅さを感じた。参拝に合わせて、事前に買っておいた御朱印帳にお印もいただき今も大事にしまってある。
 途中の移動は楽ではなかった。江ノ電や路線バスの乗り継ぎ、そして徒歩での移動。歩道は狭く凸凹や障害物も多い。昼食にお勧めのシラス丼を食べたが、我が茨城県のそれの方が美味しいと感じた。

 そんな苦労の甲斐あってか、我が娘と先立った姉の子らも順次独立し新たな家庭も築いた。そして、何よりも癌の宣告を受けていた母の症状も、進行も見せずに穏やかに暮らせている(要支援2の90歳)。何よりと思う。春先には、母はヨモギを摘み草餅を張り切って作る。私はそれを好んで食し、健康維持の一助になっていると感じる。

 ところで、鎌倉の街並みをバスで移動中「桑田佳祐が通った高校だよ」とヘルパーさんが教えてくれた。サザンの楽曲にも7にまつわる曲がある。
「エロティカ・セブン」という煩悩に満ちた軽快なおふざけポップである。この曲のような激しい悶々とした気分は、今も昔も私には縁遠いのであった。