【短 歌】 『桜 餅』 宮 内 木 箱  【機関誌第8号】   Top


                   新 地 浩 一(しんち こういち)(佐賀県)


   桜餅ほおばる吾は幼くて母の憂いに思い至らず


   繁盛の商店街の健診は高血圧の店主ら多し


   インシュリン自ら打ちつつ働くと糖尿病の医師が苦笑す


   ワクチンの有効期間尋ねられ 即答できずうろたえている


   名も知らぬ薬剤あまた世に出でて薬理作用を一から学ぶ


   臨床医辞したる吾に必要か自問しつつも新薬学ぶ


   健診もパソコン入力必須にて弱視のわれはカーソル探す