【会員より】    【機関誌第8号】   Top


     「北海道マラソン2023 完走!」

               山 口 久 美 子(やまぐち くみこ) (北海道)

 昨年、フルマラソンを初めて完走した。また一つ歳をとり、今年はゴールできるか不安でいっぱい。でも、それなりの努力はしてきたのだからと腹を括って挑んだ。スタート時の気温は30℃。絆とも呼ばれている伴走者と手と手を繋ぐ伴走ロープを握る。号砲とともに42.195km先のゴールを目指した。

 前半は、暑さの次が雷のゴロゴロ音と私の目でもわかるほどの稲光、ドドーンとどこかに落ちた音で何度も体がこわばった。さらに進んで一番つらい35km地点を過ぎたら、今度は土砂降り。水たまりというよりも小川の中を走っている感覚だ。歩き出すランナーがどんどん増えていった。

 激しい雨の音に混じって救急車の音が近づき、コース横をゆっくり通って行った。足が重い。残り1kmで止まりそうになり気持ちだけで進む。そしてラスト200mの大通りの直線道路。もうすぐゴールという時に精魂尽きてしまい、倒れそうになってしまった。
 沿道の声援は聞こえていたが前のめりの体を起こせない。倒れないように伴走ロープにしがみつき、伴走者の「もうすぐだ、頑張れ」の声と、ゴールを目指しているランナーの励ましに支えられて何とかゴールできた。

 結果をネットで確認。去年より2分以上縮めた5時間22分7秒。信じられなかった。ちなみに何人もリタイアしたこの大会の完走率は8割とか。
 67歳、昨年に続いての2回目のフルマラソン完走はとても嬉しい。
 見えなくても、見える人に支えられて挑戦し続けられることは、とても幸せな人生だなぁとしみじみ感じている。