【短 歌】 『コーヒー』 宮 内 木 箱  【機関誌第8号】   Top


                   新 地 浩 一(しんち こういち)(佐賀県)


   たまゆらの心華やぐ朗報は三日で誤報と変わり果てたり


   アフリカで学びしことも多からむ君の賜びたるコーヒー苦し  * 賜(た)びたる


   「あくまき」はきな粉まぶして食ふべしと老いたる祖母が吾に語りき


   教育が吾に残りてあることを幸いとして弱視を生きる


   父逝きて三十年を経た仏前に初の曾孫の誕生を告ぐ       * 逝(ゆ)きて三十年(みそとせ)


   盆の夜 弱視の吾は凝視せりペルセウス座の流星たちを


   日本語の単語ゆっくり選びつつウクライナからの避難を語る