【短 歌】 『レーザー』 宮 内 木 箱  【機関誌第8号】   Top


                   新 地 浩 一(しんち こういち)(佐賀県)


   カチカチと射し来る赤きレーザーがわが眼の中の水晶体を穿つ   * 水晶体(レンズ)


   ワインレッドの手術着纏いレーザーを操る女医の声甲高し     * 手術着(スクラブ) 


   これ以上視力の低下せぬことを切に祈りて眼を閉じる       * 眼(まなこ)


   「糖尿病」診断受けてこころ病む患者の憂いに気付かざりにき


   吾が知らぬ専門用語飛び交いて一時吾は異邦人なり        * 吾(わ)が 一時(ひととき)吾(われ)は


   「究極の医療」は「戦争をせぬこと」と川原医師は即答なせり