【たった一人がみんなを動かしたバンクーバー】  【機関誌】  Top


                          吉岡 久美(よしおか ひさみ)

 大阪城の標準樹の桜も開花し、やっと春がやってきました。薄ピンクの柔らかい花を見ていると、ウキウキとした気持ちになります。お花見する人もそろそろ見受けられ、人の足も外に向いてきました。桜のお花もとても綺麗なのですが、やはり花より団子派の私です。

 日本の春=桜をイメージしますが、冬季オリンピック・パラリンピックが開かれたバンクーバーでも「桜祭り」が開かれるんです。日本選手たちも、バンクーバーの地で咲き始めた桜を見て驚いたことでしょう。海外で咲く桜も、また風情があって良いものでしょうね。

 春の到来と反して幕を閉じたバンクーバー大会、日本福祉放送(JBS)でバンクーバー冬季パラリンピック特別番組に携わらせてもらいました。それを機に、留学していたカナダ・バンクーバーを懐かしく感じ、応援にも熱が入りました。
 今大会では、前回のトリノ大会を上回る、11個のメダルを獲得するなど、熱戦が繰り広げられた10日間でした。選手一人一人が、競技に向かう姿は感動と興奮そのものであり、試合後の笑顔から幸せな気持ちにさせてもらいました。皆さんも、言葉に表せないほどの感動を感じられたことと思います。

 「One Inspires Many」(たった一人がみんなを動かす)の会のテーマ通り、オリンピックとパラリンピックの冬季大会での同時開催が実現したことは、歴史上大きな一歩だったと思います。さらに、選手が受け取るメダルにおいて、それぞれのメダルを合わせるとワタリガラスの大型デザイン画になるなどの工夫もされており、「世界に一つだけのメダル」となります。これらの点からも、今回のバンクーバー大会はカナダらしさが前面に出ている大会と言えるでしょう。

 One Inspires Manyの言葉のように、最初は小さな波から大きな波へとどんどん広がることで、大きな一枚の絵になると思えています。さまざまな面で、たった一人がみんなを動かす「ゆいまーる」の活動になればと、今バンクーバー大会を通して、また感じたところでもありました。

 最近の私は日本の満開の桜模様を、バンクーバーのホストファミリーに送ろうと、デジカメ持参で出かけるこの頃です。皆さんの身近な春を、探してみてはいかがでしょうか。