【きよしの川柳漫歩(1)】     【機関誌第3号】     Top


                     戸 田 陽(東京)

 ◆ 懐古編

   青春も 遠い昔の忘れ物

   懐かしい 俺の仇名は鬼だった

   好きなのに 書いて又消す少年期


 ◆ 文芸編

   手で摘んだ ミニ花束にこもる愛

   木の枝におみくじの花 幸を待つ

   蘆花の文 艶然とあるほととぎす


 ◆ 癒し編

   人生にがっかりはない 気にしない

   ちぐはぐも たまにはいいさ人だもの


 ◆ 身体編

   偽せ薬 オッと危ない命取り

   へそくりは 臍(へそ)の中には隠せない

   あかんべえ すれば貧血すぐわかる

   内視鏡でも 見当たらぬ腹の虫