戸 田 陽(東京)
◆ 懐古編
青春も 遠い昔の忘れ物
懐かしい 俺の仇名は鬼だった
好きなのに 書いて又消す少年期
◆ 文芸編
手で摘んだ ミニ花束にこもる愛
木の枝におみくじの花 幸を待つ
蘆花の文 艶然とあるほととぎす
◆ 癒し編
人生にがっかりはない 気にしない
ちぐはぐも たまにはいいさ人だもの
◆ 身体編
偽せ薬 オッと危ない命取り
へそくりは 臍(へそ)の中には隠せない
あかんべえ すれば貧血すぐわかる
内視鏡でも 見当たらぬ腹の虫