【2013年度 秋の交流会 in 熊本・阿蘇】 【機関誌第3号】 Top
「 ス パ 雑 感 」
宮 下 治(兵庫)
ゆいまーる交流会in熊本・阿蘇は、私にとっては実に10年ぶりの温泉旅行でした。
私は学生時代から電車やマイカーで渡り湯をするのが好きで、金と暇ができればすぐにフラフラ、ウロウロして気がつけばお湯に浸かっていました。普段からも近くの健康ランドで薬湯に浸かるのが楽しみでした。視覚に障害を負ってからも、伯父の誘いで毎年色々な温泉を体験できることもありましたが、ここ10年は自動車の運転が困難になり、あまりチャンスもなく家のオゾン発生器、入浴剤、アロマオイル、ジェット超音波噴射器、ラドン入りの鉱石などを浴槽に入れて我慢していました。それだけに、この旅行は実に楽しみでした。
アソシエートに到着するとすぐ「温泉は…?」となって、浴場に直行。
露天風呂では、20年前に観た阿蘇五岳がまるでそこにあるかのようなイメージを脳裏に感じるほどの大自然が奏でるα波に溢れたサウンド、頬に当たる風の心地よさ…。心身共に解放され、日頃のしがらみを癒してくれる雰囲気は、何といっても露天風呂の醍醐味だ!と思います。
東洋医学では、温泉療法の効能は認識されており、その効果を利用した温泉病院もあるほどです。漢方薬の生薬を浴剤として風呂に入れて、アトピー性皮膚炎や冷え性の治療などで用いられたりもします。冬至の日に入る柚子湯、こどもの日の菖蒲湯もよく似た風習として受け継がれています。我々の身近にあるハーブやアロエ、どくだみ、ミカンの皮、ヨモギ、びわの葉などを風呂に入れたりもします。
近頃は低体温の人が増えているようですが、体温が下がると免疫力も下がります。身体を温めるのは別に温泉療法だけ、というのではなく温泉のお湯を飲む「飲泉療法」というのもあります。「若返りホルモン」と言われるDHEA-sが分泌され、不老長寿にも効果があります。全身の血流を盛んにし、汗腺を開いて汗を出し、眠りにつきやすい状態にしてくれる効果もあります。
こういった自然治癒力を上げる効果が温泉にはあるわけですが、それに旅行の楽しさや美味しい食事がオマケに付けばしめたものです。目新しい珍しいものを体験した時に出る脳内オピオイドや内分泌腺を刺激し、疲れ切った身体をリフレッシュさせてくれる究極の方法です。
この度の旅行で一般浴場・露天風呂・家族風呂全て、晩と朝の2度も楽しめたことは実に満足しました。そして温泉の良さを改めて再認識しました。アソシエートには珍しく露天風呂付き家族風呂があり、視覚障害のある温泉マニアにとっては、最高の施設だったと思います。今回参加された某先生が、「杖をついてでも温泉に入る!」とおっしゃられていたのが印象的で、そのバイタリティは見習わねば、と感じました。
もちろん、初めて見学した北里柴三郎記念館は日本の近代医学史を振り返る機会となりました。この交流集会では非日常のご当地グルメや大自然の雰囲気をまた味わえて、良い思い出となりました。この旅行を企画運営された下川先生御夫妻、ボランティアで入浴サポートしてくださった北上様、本当にありがとうございました。
皆さん、日頃のストレスの発散に「温泉」、いかがですか? 自分流のバスタイムを100%楽しみましょう!!