【発刊にあたって】     【機関誌第3号】     Top


                     代 表  守 田 稔

 2008年6月8日に「視覚障害をもつ医療従事者の会」(ゆいまーる)が発足して、早6年が経ちました。会員も増えて、2014年5月現在、正会員 29名、協力会員 61名となっています。そして、このたび機関誌第3号を刊行することができました。これも『ゆいまーる』を応援してくださる多くの皆さまのお蔭と感謝いたしております。

 前号発刊から2年の間に『ゆいまーる』では様々な活動をいたしました。2012年には、大阪府立中央図書館の見学と、同館にて国内医学論文情報のインターネット検索サービス「医中誌Web」の音声パソコン体験会を行いました。また同年の交流会では、全盲で弁護士になられた渡邊先生の講演を聴かせていただき、多くの会員が感銘を受けました。

 2013年10月には、熊本で交流会を行いました。熊本城や阿蘇の大自然を満喫し、小国町にある「北里柴三郎記念館」では医学界の先人の偉業に触れました。そして熊本の美味しい料理に舌鼓を打ちながら、会員相互の交流を深めることもできました。その他、東京で開催された視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド」や、大阪で催された西日本最大規模の視覚障害者用具・機器展「日本ライトハウス展」を見学しました。

 1年に何度も『ゆいまーる』全体で集まることは難しく、また遠方での集まりに参加することが困難な方もおられるため、「関西ゆいまーる勉強会」「関東地方会」など、地域での集会にも力を入れております。

 当会の重要な目標の一つである、視覚障害をもちながらも医学情報へのアクセスを円滑にすることについては、ボランティアの方々の協力や日本精神神経学会のお力添え、会員相互の工夫の共有などにより、少しずつ実を結びつつあります。また2010年1月に施行された「著作権法の一部を改正する法律(視覚障害者関係第37条第3項)」についても会員内で情報を共有し、会としてこの法律改正を追い風にできないかを模索している状況です。

 このたびの機関誌第3号には、初めて原稿をいただいた方、再投稿の方、いずれも力作が揃っています。ぜひとも多くの皆さまにお読みいただき、私たちのこと、『ゆいまーる』のことを知っていただければ幸甚です。