【代表挨拶】 【これまでの活動】 Top
守田 稔
今日はお忙しい中、視覚障害をもつ医療従事者の会「ゆいまーる」の発足記念講演会にご出席いただき、ありがとうございます。
この「ゆいまーる」の会は、見えない、見えにくいというハンディーを持ちながらいろいろな医療関係職に従事する者が集まり、互いに情報交換を行なったり、親睦を深めていこうという趣旨の下に開始する運びとなりました。会の発足までの経過につきましては、この後の大里さんの報告がありますので、そちらに譲らせていただきます。
見えなくなる、見えにくくなるということは、目の前のものが物理的に見えなくなり、それがつらいのだと想像していました。しかし実際には、これから自分が進もうとしている人生の道が見えなくなるということが、より 深い悲しみになるということを実感しました。中途視覚障害をお持ちの方は、多かれ少なかれ同じような気持ちをもたれたことがあるのではないかと思います。
みなさんご存知のように2001年の法改正によって、多くの制度で欠格条項が撤廃、あるいは絶対的なものから相対的なものへの緩和がなされました。そのお陰で、今 私は医師として働くことができています。私のように視覚障害を負ってから医療の職に従事するものもあれば、仕事を何年もされてから視覚障害をもたれる方も多くおられます。この「ゆいまーる」の会では、そのどちらの方にも気軽に参加していただき、交流を深めていただければと希望しています。
働くうえで私たちには様々な悩みもあります。その一つとして、医療に関する情報へのバリアがあります。本日はこの後の成松さんのご講演を聞いて勉強させていただき、当会としても解決していくべき問題のひとつとして取り組んでいきたいと考えています。
私たちの力は微力であり、また何かをしていくには時間もかかるかと思います。そのため多くの方々のお知恵やお力添えをいただければ、幸甚に存じます。
同じ悩みを持ちながら医療という人生の道を選んだ人や、またこれから選ぶ人たちにとって、この「ゆいまーる」の会が足元を照らす光の一つになればと、私たち一同 心から願っています。
今後とも皆様の暖かなご支援をよろしくお願いします。